棚が紡ぐ、よそとうち – Kashiwanoha Sustainable Shelf –

都市環境デザインスタジオ

これから開発される柏の葉地域の国道16号北地区を対象に、「郊外での新しいくらし方を考える」が課題となりました。
本提案は、新規住宅開発予定地を取り上げ、変化の少ない郊外住宅地において、常に変化を生む柏の葉の「短期滞在者」に着目し、短期滞在者間や地域住民との交流を生む仕掛けを埋め込んだ新しい住宅地を構想しました。交流を誘発する仕掛けとして、「棚」を考案。住宅内の壁面や通りに面した大窓に設置された棚に、そこに住む人の持ち物を展示し、多様な個性がまちに滲み出て行きます。アイデンティティが表現される棚をきっかけに、「ここにはこんな人が住んでいるんだ」とお互いへの関心を持ちやすくし、「これはなんだろう、聞いてみようかな?」といったさりげないコミュニケーションを生むことを狙っています。

「棚」から始まるさりげない交流の可能性や空間的な拡張性が評価され、2020年度の「社会実験構想学」共同研究で実験化に向けた検討が進められました。コロナ禍が収まらない中、いかにして物理的・時間的な距離を保ちながら公共空間でのコミュニケーションを引き起こすのか?(非接触の交流)、対面での話し合いやワークショップが難しくなる中、これまでのサイレントマジョリティ問題にも対処するため、気軽な市民参加のきっかけづくりを行う仕掛けを考え、柏の葉wish treeという企画に繋がりました。2021年5月15日〜6月19日まで、実験が行われます。

問い合わせ先:iedp(@)edu.k.u-tokyo.ac.jp
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