東日本大震災から10年が経過した今でも、原発被災地の帰還困難区域の人々は未だ故郷に帰ることができていません。世間から取り残されてしまうという疎外感を少しでも和らげるメディア表現に取り組む中でアイディアを発展させていき、本作品は「とりまくもの、無意識の空気として忘れたくない光景を日常に取り込む」というコンセプトメイクに集中して仕上げました。窓の語源となった「目の戸」をタイトルに、ある空間と別の空間をつなぐ開口部から広がる日常を提案しています。窓枠のガラス窓の向こうにディスプレイを挟み込むことで、日常の中に自分の大切な場所、忘れたくない場所の「今」を映します。詩的な印象を残す映像と共に、「目の戸」から広がる独自の世界観を作り上げました。
コロナ禍でオンラインでの交流・仕事が急激に広まる中、さりげないコミュニケーションの一つの解を提示しています。
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