東日本大震災が発生してから時間が経過するとともに、福島の被災地の現状を伝えるメディアが少なくなり、正確な情報や新しい情報に触れる機会が少なくなっています。一方、未だに帰還がかなわない帰還困難区域の住民がいます。大震災の記憶が薄らぐことで疎外感を感じている人も少なくありません。情報環境デザインスタジオでは、一貫してこの「福島県浪江町の帰還困難区域の住民の疎外感を和らげる作品」を提案する課題に取り組んでいます。
本作品は、「いのちを見つけに行く」をコンセプトに、はっきりとは見えないものを見る動作を促すウェブアプリです。帰還困難区域の中にぼかされている、見えない景色の中のものを見るため、ガウシアンフィルターでぼかされた浪江町の牧場の風景の中にいる牛を探します。膨大な量の画像や動画に溢れている昨今、1枚の写真にかける時間が短くなっていますが、ここではじっくり見ることで、その写真の意味を考える仕掛けです。
Webアプリ「がうしあんフィルター」:https://studio.chikasuiro.dev/
・問い合わせ先:iedp@edu.k.u-tokyo.ac.jp
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