11月30日に、都市環境デザインスタジオ2021の中間発表がオンラインで行われました。
今年度は「柏の葉イノベーションキャンパス地区」を対象に、「郊外の新しい街区デザイン」をテーマに、
5班に分かれて検討が進められています。
過年度のスタジオと共通するテーマもありつつ、新しい着眼点が印象的な5つの提案が発表されました!
5班:ブルワリー×職を中心としたイノベーションの計画
敷地周辺に散らばるブルワリーや柏市内のフルーツなど、食の資源に着目して、
そのフードチェーンへの関わりを通して多様な属性の人々の交流を生み出し、新しいコミュニティを創出しようという提案です。
イノベーションのための媒介として、地域ごとのInnovation Design Centerを設置し、
例えば柏の葉ではクラフトビールを媒介に、住民同士、ワーカー同士の関わりを作ります。
1班「水が繋ぎ、まちが潤う」
自然資源から水の流れを分析し、ゴルフ場跡地などの柏の葉の歴史性を継承するとともに、
新たなインフラとして雨水管を利用しながら、地形を反映した建物や、新たな水路を設置することで
地域の貯水量を高めることを目ざす提案です。
大型の雨水管を開いたり、既存の地下の雨水管をポンプで接続して地上へ表出させ、アクアテラスに流すなど、
水と人、水と建物との関わりを考えることで、新たな景色やアクティビティを生み出します。
2班「日常にシカケを」
アフターコロナで暮らしが変化する中、コンパクトすぎる生活携帯が閉塞感・退屈感を感じさせる中、必要行動だけでなく、不必要な行動を引き起こすシカケをつくり、イノベーションの素地にしようという提案です。
対象敷地の向かいにあるこんぶくろ池公園とアクアテラスの対照的な自然を結び、自然と仕事、自然と遊びを混合させることを目ざします。
3班「Outdoor creative studio kashiwa みちでつながり、ひろばでつどう」
緑、エンタメ、道路をキーワードに、屋外空間をエンタメ空間としてプロデュースし、クリエイティブ・エンターテインメント要素を柏の葉から周辺地域へ広げようという提案です。パフォーマーやクリエイターを誘致するとともに、エンタメ系ベンチャー企業に入ってもらうことで、まち全体で活動を後押しする仕組みを考えています。
4班「innovation through interaction ~well-beingな街づくり~」
柏の葉イノベーションフィールドに関わる関係者のwell-beingを大切にしながら、住民と研究者の間の交流・連携を通じてイノベーションを連鎖させることをめざす提案です。共創・体験ができる場所を「イノベーションハブ」と名づけ、市民も研究に参加できる場所の創出を想定しています。学生や研究者の提案が事業化され、民間主体が実践する仕組みを提案しています。
今年もオンラインベースで進められている都市スタジオですが、
これまで取り上げられてきたテーマでも異なる視点からのアプローチが新鮮に感じられました。
(「食」はブルワリー、「水」なら水道管・水路、「賑わい」でも外からパフォーマーを招致する、など・・・)
一方で、先生方からは敷地の外側の資源との関連を考えること、
柏の葉という地域で行うことの意義、
着目した要素と周辺との関係性を深めること、などが各班共通して指摘されました。
この時点の提案タイトルも、強いタイトルが出ているかどうかが、今後の発展の鍵になりそうです。
ここから12月21日の学内最終発表を経て、1月22日(土)にはさらにブラシュアップした提案を一般公開最終講評会で披露します。
これからの各班の提案がどのように展開するのか、とても楽しみです!