中間発表会!

  • 地域活動デザインスタジオ

6月26日に行われた、地域活動デザインスタジオの中間発表会のレポートです。

5月以降、約2週間に1度の頻度で開催してきた地域活動スタジオ。
柏市内、みどり台と増尾にある2つのカシニワを対象として、2グループに分かれて作業を進めてきました。
コロナのため現地調査がままならない中、今回はオンラインで進めてきた調査内容と提案の発表です。
ゲスト講師にガーデニング研究家の畑明宏先生をお招きし、さらにオーディエンスにはISIDイノラボから7名の皆さんにお越しいただきました。

みどり台のふうせん広場は、鈴木先生のNPO balloonが管理を担い、地域の子どもたちと一緒に作り、企画運営してきたカシニワです。
子どもたちが中学生になってからは活動が下火になっているところ、再び地域の場として活用し続けるには?が主な課題。
周辺は高齢者人口が多いことや、犬の散歩場所需要があること、そして活発な地域活動が繰り広げられている柏の葉キャンパス駅周辺との心理的距離など、提案のヒントを見つけました。
花壇で囲んだドッグランなどの空間提案だけでなく、使いたい人と場所をつなげて繋げるためのシステムや大学との地域連携との可能性も検討しました。
イノラボの西川さんからは、近年公園で禁止事項が目立つ中で、「〇〇ができます」と書いたポスター・看板や、
その場所で行われる活動の「番組表」を貼り出すことで、その場所で行っても良い活動を後押しできるというヒントをいただきました。

続いて増尾のカシニワは、東武アーバンパークラインの増尾駅の東側、市街化調整区域にあります。
里山保全団体による熱心な管理が行われているところですが、会員の高齢化によりこの先の持続的な管理が課題になっています。
アイディアとしては、ファミリー層の新規参入を促すため、カシニワでのセミ在宅ワーク・勉強の合間に、息抜きがてら雑草引きをする、また子どもの関心を引くなど、新たな担い手を獲得するための案がいくつか出されました。
畑先生からは、東京から1〜2時間くらいの場所で、庭が十分取れない地域で自分の庭のように使える立地の魅力を指摘いただいたほか、
イノラボの岡田さんからは、自然を感じつつ、アートと美味しいコーヒーやご飯と一緒に楽しめる環境の魅力を実体験に基づいてお話いただきました。
寺田徹先生、イノラボの渋谷さんからは、今回の提案の中で、自然保護をどこまでミッションとして捉えるかについて再考の余地があるのでは?というヒントもいただきました。

中間発表の後は、畑先生からのレクチャー。
自給自足のガーデニング、菜園づくり、畑作りについて、企業と研究所にお勤めだったご自身の経歴に始まり、
農業と異なる「自給自足」ならではの技術を丁寧にご紹介いただきました。
その後のフリートークでは、野菜を介した地域の人とのコミュニケーション、お金を介さず畑仕事の手伝いという「時間の交換」で交換する実践例に話が広がりました。
本気の農業とは違う、自給自足をめざす簡易な緑の手入れや、緑を介したコミュニケーションの取り方などは、地域の緑を考えるカシニワの提案のヒントにもなりそうです。

今後は学内の活動制限レベルの状況を見ながら、フィールドワークを行い、以下の課題・提案に取り組んでいきます。
①対象地の将来像(どんな緑になっていくといいのか)
②そのための戦略やステップ(どうやって目指すべき姿になっていくか)
③スタジオで取り組む最初のステップ(自分たちで何が出来そうか)