情報スタジオ第6回|それぞれの企画、中間発表!

  • 情報環境デザインスタジオ

5月28日に行われた情報スタジオ中間発表の報告です。

4月から5月にかけて、学生たちは「メディア表現とは何か」から始まり、「心から面白がれること」をベースに、
本スタジオの通底テーマである「帰還困難区域を対象にした、忘却に抗うメディア表現」や、自身が取り組むテーマについて考えてきました。
しばらくは対面授業が難しいこともあり、この中間発表を一つの区切りとして、中断期間に入ります。
それぞれが個人作業で進めていくフェーズを前に、「ここで作るものを決めるイメージで」スライドを使って発表しました。
今回も再びイノラボの渋谷謙吾さん、岡田敦さん、藤木隆司さんにお越しいただき、小林博樹先生、佐々木遊太先生から講評をいただきます。

企画の3要件+αとして
「何を(メッセージ」
「誰に」
「どうやって」
「どうなって欲しいか」を入れて、各自10分で説明してもらいました。

5月14日の企画素案の発表から、大きく変わった提案やコンセプトを深化させたものもありました。
発表されたテーマは以下の10件です。

・東日本大震災の記憶がない世代の子どもたちを対象に、遠隔操作ロボットを使った宝探しゲームの中でもどかしさを表現する「Beyond the Barriers
・被災地に行ったことがない人を対象に、自分が「自分の世界」と認識しているレイヤーと、浪江町のレイヤーとのリンクを作る「Memory Rails
・浪江町の風景画映る窓を日常の中に設置し、さりげない気づきを促す「ゲリラまど
・帰還困難区域をよく知らない人を対象にした、「帰りたいのに帰れない」ランゲーム「家に帰ろう〜go home〜
・帰還困難区域の人や現在進行形で何かを待っている人に、「待った甲斐があった」を伝えるブラウザ「待ち遠しい
・みんなが持っている「大切な故郷」をベースに、身体の動きに合わせてつながりを意識できる空間をつくる「つながる
・一見何もない光景を、音遊びを通してインパクトのあるものとして残す「何もない
・LGBTsの人たちが匿名性を保ちつつカミングアウトでき、その存在を知らせる「虹色の街灯
・相互理解のため、心拍音を使って思いを伝え合う「しんぱくシンパシー
・被災地の復興状況の情報を可視化し、「被災地の状況を明瞭に伝えるメディアの提案

それぞれについて質疑応答・議論の中で、技術的な選択肢やコンセプトの解釈を広げるブレスト、また現在の文脈における企画の意義などについて、時に一緒に考えながら様々なコメントをいただきました。

どのように」のイメージの具体化と技術的な選択肢、
最終的なプロトタイプとする部分の切り分けアイディア、
いろいろな人の思い出がクロスする視点の面白さ、
向こう側の世界とのインタラクションをどうデザインする?、
自分の行動と向こう側のアクションの繋がり、それを促すトリガーは?、
帰れないもどかしさの展開と多様なディレクションの方向性、
帰還困難区域の人がプレイヤーになるとすると?、
帰還困難区域の人に見てもらうインターフェースは?、
待つことで良くなるもの、待つことの価値、待つことの意味、
どうなったら「つながった」と感じられる?、
本来は印象的じゃない景色が、音を通した感情の揺さぶりがあり、印象的になる。その経験がもたらす生活の変化とは?、
企画が持つ背景やストーリーと合わせて伝えることに意義がある、
グループで空間を共有して見る映画や演劇からのヒント-間が合って感じられる一体感、
どんな情報が不安を払拭させてくれるのか?
ローカルで怒っていることが、時系列的に伝わらなくなっていく中、現状を示すことの意義。etc.

各自の企画案に合わせた問いかけやブレストの中で、そこに込めた個人的な想いやきっかけも問われました。
第1回で提示され、その後も繰り返し問われてきた「自分が心から面白がれること」。
その自分の関心と地続きであることで強い企画になることも、これまでの講義の中で学びました。
企画づくりのマインドからマルチメディアのツールで遊んで身に付けたことを使って、さらに企画を精緻化していく中で、改めてその問いと向き合っていくことになるのではないでしょうか。

今回は報告が遅れてしまいましたが、また引き続き、受講生の皆さんの企画の展開についてレポートしていきたいと思います。
皆様、お疲れ様でした!
イノラボの渋谷さん、岡田さん、藤木さん、お付き合いいただき、ありがとうございました!