つながる

情報環境デザインスタジオ

東日本大震災から10年が経過した今でも、原発被災地の帰還困難区域の人々は未だ故郷に帰ることができていません。世間から取り残されてしまうという疎外感を少しでも和らげるメディア表現に取り組む中でアイディアを発展させていき、本作品は距離センサーと脈拍センサーの2種類のセンサーを使って、マイクロコンピューターArduinoを介してProcessingで作ったプログラムにより、身体反応と映像を連動させる2種類の作品から成っています。
「誰にでも帰りたい場所がある」をテーマに、距離センサーを使って身体の動きと、月から来たウサギの動きを連動させ、ストーリーテリングを行うインスタレーションです。月から降り立つウサギ、ウサギを月へ送り返す流れを、身体の動きとPC画面上のコマ撮りアニメがつながっています。
もう一つは、心拍センサーを使って、脈拍で震災の写真が瞬間的に切り替わる「心拍×フラッシュバルブメモリ」。感情が心拍に現れるのを利用し、感情とのインタラクションで画像を次々と切り替える作品です。
発展形として、「震災の体験は特殊なものではなく、誰にでも起こりうる」というメッセージを伝えるため、インスタレーション体験を用いた教育への展開可能性もあります。

・問い合わせ先:iedp@edu.k.u-tokyo.ac.jp
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