東日本大震災から10年が経過した今でも、原発被災地の帰還困難区域の人々は未だ故郷に帰ることができていません。世間から取り残されてしまうという疎外感を少しでも和らげられるよう、被災地から遠く離れた人が、「帰りたいのに帰れない」という事実に想いを馳せることをめざしました。
本作品は、「3.11」という数字の持つ文脈に焦点を当て、帰還困難区域の人がまだ帰れていないことを、Unityを使って構築したワールドゲームの世界観で伝えるものです。スタートからゴール(家)まで「3.11」を拾いながら走っていくものの、家の手前で橋が落ちることで、目の前にある家に帰ることができません。橋が落ちた後に振り返ってこれまで来た道を見遣ると、過去の10年間の「3.11」がそこに現れています。それらを拾っていくエンディングでは、時間を遡る形で自分のこの10年を振り返ることを表現しています。
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