4月16日(木)第2回目統合環境デザイン論のレポートです。
共同研究「社会実験構想学」のパートナー、電通国際情報サービス(ISID)オープンイノベーションラボ(イノラボ)の方々から、学生に向けたメッセージとISIDイノラボの会社や事業紹介、そして今回特に関わっていただく岡田敦さん、渋谷謙吾さん、藤木隆司さんの自己紹介をしていただきました。
今回の共同研究「環境デザインと最先端技術の統合をケースとする社会実験構想学の創成」は、14年目を迎える環境デザイン統合教育プログラム(IEDP)で生み出される学生提案を、提案して終わりというだけでなく、より社会に開き、実践の機会につなげることを目ざして立ち上げられました。 それぞれのスタジオの中で向き合う社会課題、その解決に向けた提案は大なり小なり、未来を変える「シーズ」と言えます。これらを育て、新しい技術と組み合わせて実験していく、そのプロセスを分析するのが「社会実験構想学」です。
共同研究のパートナーであるイノラボの方々に情報提供をいただく統合環境デザイン論の第2回・第3回。 その第一弾となる4月16日、最初に岡田敦さんから、イノラボのミッションをお話いただきました。 先行き不透明で想定外のことが起こる時代に、「生活者がいかにテクノロジーを使って幸せになるか」を追求するため、多様なパートナーと組んで社会課題を発見し、ITソリューションを企画、実際に作って世の中に試していく。その中で、今回はIEDPと組むことで、社会課題の解決に向けた新たな仕掛けをどんどん作って実践していきたい、「生活者が幸せになるか」を起点に、一緒に発想して行きましょう、というメッセージをいただきました。
続く事業紹介では、宮崎県綾町での有機野菜の来歴をブロックチェーンで可視化し、消費者の安心安全と農家の業務を軽減する取組や、マグロの尾の断面から品質を見抜く匠の技を継承するAIアプリ、ロボットと人が助け合うことで新しい価値を生み出そうとする技術など、多方面に渡るプロジェクトを教えていただきました。
続いて岡田さん、渋谷さん、藤木さんご自身の自己紹介。それぞれの現在のご専門だけでなく、どうしてその分野に行き着いたのか、これまで考えて来られたことや興味関心の変遷も含めてのお話です。 映像、音声、遠隔、VR/AR、植栽、ロボティクス、神経科学、機械学習、モノを動かすテクノロジー、画像解析、VHA(virtual human agent)、ALIFEなどなど、多様なキーワードで語っていただきました。
一通りの説明を受け、グループに分かれて質問を検討した後、質疑応答へ。質疑では刺激的なお話を受け、それぞれが抱いた素直な感想が飛び出しました。
「面白そうな事例が多くあったけれど、商品化は?」-お金になるかはまだこれからのところも。
「本当に必要なことなのか?」ーやってみないとニーズがあるかどうかも分からない。
「有機野菜かブロックチェーンという技術か、どこに付加価値が認められたのか?」-検証はすべてできた訳ではないが、フィロソフィーへの共感がありそう。
「インスピレーションはどこから得ているの?」-技術やニーズから考えて、未来を想像する。社会の文脈を読むことを意識する。
「動く椅子や植栽について、一人暮らしなど、人に合わせて部屋のアレンジが変わったりすることもありえる?」
4月23日(木)は、より詳しくプロジェクトのプロセス(インスピレーション、企画から実験・評価まで)をご紹介いただく予定です。前回講義に出られなかった人も、UTASでシラバスを確認の上、ぜひ参加してください。