自然資源を介して紡がれる谷戸の風景

建築環境デザインスタジオ

建築環境デザインスタジオⅠ「哲学する建築実践:谷戸を再編集する」

人間の切り離せない営みが行われるトイレを切り口に、分散的なキャンプ場を設計することで、高齢化が進み、耕作地が後退する谷戸で集落全体をゆるやかに再編集していくことに挑みました。対象地は、昨年度に引き続き、千葉県南房総市の小戸です。現地にて行われたフィールドワークにて「水」「植生」「風・光」「動物」という4つのテーマでグループ分けし、そのリサーチを発展させる形でそれぞれのグループで成果物を作り上げていきました。

水班では、谷戸地形ならではの源流、田んぼ、ため池などの水を中心とした自然資源を生かした分散型のキャンプ場を提案しました。源流では自然の中での水音をサウンドスケープとしてトイレやキャンプに利用し、利用されなくなっているため池の水は発電や人口湿地による汚水処理へ活用されていきます。耕作放棄が問題となっている田んぼは、鴨や魚の池とすることで食の生産地としながら多様な水生生物環境を作り出します。小屋、養殖池、ツリーハウス、トイレなどの構築物は、土、竹を共通の素材として作られており、自然資源を介して紡がれる谷戸の風景が描かれています。

問い合わせ先:iedp(@)edu.k.u-tokyo.ac.jp
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